【パークコート乃木坂ザタワー】三井健太レポート抜粋版 Vol.15

マンションアドバイザー三井健太氏が、ご依頼を元に毎回作成される「三井健太の(新築・中古)マンションレポート」。受け取った方の大半が「想像以上・期待を超えた」と感動されるこのレポートは、個人に宛てたものということで長らくネット上には公開されていませんでした。ここではその貴重なアーカイブのなかから個人宛て部分やその他ご依頼者から送られた価格表、間取り図などを削除した抜粋版を特別に公開しています。30年余の研究と業界ウォッチング、そしてマンション愛あふれる三井健太氏ならではの客観的かつ具体的、誠実な助言のエッセンスをご覧ください。

三井健太のマンション評価レポート(抜粋版)・【パークコート乃木坂ザタワー】編

※三井健太のマンションマンションレポートについて

建物の評価ポイント

※レポートの評価ポイント解説・ポイント表は本レポート抜粋では割愛させていただきます。

総合点 70.5点(最高100点)

中の下:58以下(★★☆)/中の中:59~65(★★★)/中の上:66~72(★★★☆)/上の下:73~78(★★★★)/上の中:79~85(★★★★☆)/上の上:86以上(★★★★★)

三井健太の総合評価

リセールバリュー格付け:B

AA:最も高いリセール価値が期待される。A:比較的高いリセール価値が期待できる。B:あまり高いリセール価値は期待できない。C:リセール価値が低くなる恐れがある。D:リセール価値が著しく劣る覚悟がいる。

建物評価:

建物の評点70.5は中の上、5段階評価では★★★☆となります。これに立地条件の評価が加味されてマンションのトータル価値となります。
建物評点(立地評価は含まない)は、ブランドマンションにしては「普通」レベルの結果となりました。根本要因はタワーにして88戸しかない規模にあります。スケールメリットがなく、付加価値が設けられないためです。特筆しておかなければならないのは、ワンフロアに5戸(上階3戸)しかない細身のプロポーションであることです。太くて高い、威風堂々の建物の方が価値は高いのです。

エントランス付近は、デザイン性や上質感などが「パークコート」らしさを感じますが、88戸を無理やり高く積み上げたペンシル状の外観からは格別な印象を持つことができません。これまでもパークコートシリーズで超高層はありましたが、500戸規模のため、存在感・差別感は際立っていました。

小規模なパークコートでは、邸宅地にあって高さはないものの、周囲の邸宅や高級マンションに全く引けを取らない存在感と上質感を放ち、居住者に優越感と満足感を十分に与えるものになっていると認識しています。本物件は残念ながら、パークコートらしくない、どこか違和感を覚える部分も少なくありません。

間取り寸評:

個人情報の特定につながるおそれがありますので省略させていただきます。

立地評価:

マンションの価値を大きく左右するのは立地条件ですが、本物件の最大の強みは、東京メトロ千代田線「乃木坂」駅へ徒歩2分と至便ということもさることながら、「都心の中の都心・六本木や赤坂が徒歩圏」にあることです。しかし、ピンポイントの景観・街並みなどは芳しいものではないと考えます。地域内競争という意味から、次の視点で本物件を見たとき、どのような印象になるでしょうか?

①差別化された(明確な差別感がある)物件であるか?
希少価値という表現でもよいのかもしれません。「隅田川テラス沿い」、「吉祥寺公園の最前列」、「皇居が一望」、「眼下にレインボーブリッジ」といった景観、「傘が要らない駅直結の立地」、「ターミナル駅へ徒歩2分」などといった交通利便性など立地条件の希少性がどれだけ高い物件かというチェックが必要です。似たり寄ったりの外観が並ぶ中に、ひときわ光る個性的な外観デザインのマンション、14階以下のマンションが立ち並ぶエリアに50階建てのタワーマンション。前面道路から20メートルも距離がある位置にエントランスがあって居住者以外は近寄りがたい雰囲気のマンションなど、建物の形状や規模などで周囲のマンションに圧倒的な差異を創り出している物件なのかどうかをチェックすることです。

②感動を与えてくれる(与え得る)要素がある物件か?
結局のところ、売却に際して内見者をいかに感動させるか(感動してくれるか)という視点で購入しようとしているマンションを見ることなのです。感動要因が数多く、つまり「すごい・素敵」を連発させられるかがカギになるというわけです。たくさんの感動を与えることができるマンションなら、売り出した価格から殆ど値下げすることなく(希望価格で)、しかも短時間で売却が実現できるのです。

本物件は、残念ながらピンポイントの立地も建物価値の面からも際立つ強みはないのです。

リセールバリュー:

マンション購入にあたっては、将来リセールするときの価値を購入時に想定する、若しくは考慮しておくということが大事です。永住するつもりという人も、いつなんどき、売却の必要が生じるか分からないからです。そのとき、できるだけスムーズに、かつ高く売りたいと考えるのが普通の感覚であり、少しでも価値の保存ができる物件を望まない人はいません。※ここは大事なポイントです。

将来価値(リセールバリュー:RV)を決定する要素は、①立地条件(利便性と環境)、②スケール(存在感)、③外観・玄関・空間デザイン、④建物プラン(共用施設、間取り、内装や設備など)、⑤ブランド、⑥管理体制です。この中で一番比重が高いのは①の立地条件なのです。立地さえ良ければ建物は何でもいいという単純なものではないのですが、大きな要素であることは確かです。逆に、どんなに素晴らしい建物でも立地条件の弱点を補うことはできません。また、稀少価値の高い土地かどうかの観点で検討することも大事です。そして最も大事な要素は「価格」です。価値に見合わない高値で購入(高値掴み)すれば、将来価格は期待外れになるからです。

本物件をこの条件に照らすと、⑤、⑥は良いとしても②~④は「普通」レベルを少し超える程度です。立地条件の①も、ピンポイントではもうひとつの印象が強いのです。肝腎の価格ですが、最近4年間は建築費上昇・地価上昇の影響を受けてマンション価格は急騰し、多少の差はあっても全ての物件が高値になってしまい、誰もが高値掴みを強いられてしまう時期に当たっています。本物件も例外ではなく、かなり割高です。

以上の考察から、本物件のRV格付けは、平均的な「B」とさせて頂きました。現地調査抜きの簡易評価ですので、ラフな点はご賢察・ご容赦願います「B」とは、東京都の平均的な価格維持率(=購入価格からの変動率。詳細は割愛)のキープは微妙という意味になります。

教えて三井先生

パークコートシリーズというのは高級ブランドですね。その割に評価は辛い感じがしますが、それはなぜですか?


ブランドマンションにしては「普通」レベルの結果となりましたね。タワーにして88戸しかないスケールに原因はあります。ワンフロアに5戸(上階3戸)しかない細身のプロポーションであることです。タワーは太くて高いほど立派に見えます。威風堂々の建物の方が価値は高いのです。また、共用施設もこれといって付加価値につながるものもありません。
価格はどうですか?このマンションの価値にふさわしい価格と言えるのでしょうか?


マンションの価値は、立地条件で決まるようなものなので、乃木坂駅に2分という利便性や赤坂駅、六本木駅、東京ミッドタウンも徒歩圏というロケーションに鑑みて売主は「高くない」と判断したのかもしれません。

建築・販売概要

◆マンション名/パークコート乃木坂ザタワー
◆所在地/(登記地番)※乃木坂ナショナルコートの建て替え案件・・・地権者住戸が多いのはそのためである
◆交通/千代田線「乃木坂」駅へ徒歩2分、大江戸線「六本木」駅へ徒歩8分
◆敷地面積/1128.5㎡
◆建築面積/458.41㎡(建蔽率 %)
◆構造/鉄筋コンクリート造
◆階数/地上25階建て
◆総戸数/88戸(販売総戸数43戸、非分譲住戸数45戸含む)
◆駐車場/26台(29.5%・内機械式台)(月額使用料/5万円~6万円)
◆建物完成予定日/平成31年2月下旬予定
◆入居時期/平成31年04月上旬予定
◆売主/三井不動産レジデンシャル
◆施工会社/三井住友建設株式会社
◆管理会社/三井不動産レジデンシャルサービス
◆管理費/19,680~52,840円(@525円/㎡)・・・第1期43戸(全部)の販売データ(以下、同じ)
◆修繕積立金/4,870~13,080円(@円/㎡)
◆修繕積立基金/487,000~1,308,000円(100か月分相当)
◆専有面積帯/37.49~100.65㎡
◆間取り/1LDK~3LDK
◆価格帯/8000万円(1戸)~30000万円(1戸)(平均坪単価 推定 @800万円)・・・最近の周辺物件を見ると、比較にならない超高級マンションと、普通レベルのマンションが混在しており、本物件は25階建ての高さがもたらす存在感と駅2分の利点はあるものの、88戸の小規模マンションであり、普通を少し上回る程度の物件と見るとすれば、高々@700万円が妥当と判断できそうです。平均@800万円(推定)は「割高」と見るほかないようです。
◆検討住戸/省略
◆周辺相場/2017年3月発売「ザパークハウス麻布外苑西通り74戸」9分=@550万円・2015年11月発売「パークコート赤坂檜町ザタワー322戸」3分=@980万円・2016年6月発売「プラウド六本木36戸」(六本木4分)=@900万円・2014年12月発売「フォレセーヌ赤坂檜坂54戸」(六本木6分)=@670万円
◆販売開始時期/2017年12月4日より第1期登録開始
◆評価または調査日/平成29年12月1日

(本エントリの画像出典:パークコート乃木坂ザタワー公式Webページもしくは配布資料スキャン)
(※本エントリ内の@〇〇〇万円は特別な説明がない限り坪単価を表しています。)

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三井健太のマンションレポートアーカイブについて

マンションアドバイザー三井健太氏は、ご相談者様のご依頼により、「三井健太のマンションレポート」を作成しています。平均ページ数は28ページ、作成数はのべ2800になります。本マンションレポートアーカイブは、お客様のご依頼事項について秘匿を守りつつ、抜粋版をネット上に公開するものです。このマンション評価書の作成は新築・中古問わず作成しております。

三井健太氏との対面マンション購入相談とFPによる購入可能額判定とライフプランニング作成については、「住まいスタジアム」のご利用をご検討下さい。

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