【クレヴィア東京八丁堀 新川ザ・レジデンス】三井健太レポート抜粋版 Vol.24

マンションアドバイザー三井健太氏が、ご依頼を元に毎回作成される「三井健太の(新築・中古)マンションレポート」。受け取った方の大半が「想像以上・期待を超えた」と感動されるこのレポートは、個人に宛てたものということで長らくネット上には公開されていませんでした。ここではその貴重なアーカイブのなかから個人宛て部分やその他ご依頼者から送られた価格表、間取り図などを削除した抜粋版を特別に公開しています。30年余の研究と業界ウォッチング、そしてマンション愛あふれる三井健太氏ならではの客観的かつ具体的、誠実な助言のエッセンスをご覧ください。

三井健太のマンション評価レポート(抜粋版)・【クレヴィア東京八丁堀 新川ザ・レジデンス】編

※三井健太のマンションマンションレポートについて

建物の評価ポイント

※レポートの評価ポイント解説・ポイント表は本レポート抜粋では割愛させていただきます。

総合点 64点(最高100点)

中の下:58以下(★★☆)/中の中:59~65(★★★)/中の上:66~72(★★★☆)/上の下:73~78(★★★★)/上の中:79~85(★★★★☆)/上の上:86以上(★★★★★)

三井健太の総合評価

リセールバリュー格付け:B

AA:最も高いリセール価値が期待される。A:比較的高いリセール価値が期待できる。B:あまり高いリセール価値は期待できない。C:リセール価値が低くなる恐れがある。D:リセール価値が著しく劣る覚悟がいる。

建物評価:

建物の評点64は中の中、5段階評価では★★★となります。これに立地条件の評価が加味されてマンションのトータル価値となります。

建物評点(立地評価は含まない)は「普通」レベルの結果となりました。前表・項目(本レポートでは割愛)ごとの評点にご注目下さい。大型マンションではないので共用施設が少なく、これによる付加価値がないこと、価格を抑えたいためでしょうか、専有部分のスペックも「普通」レベルです。無論、悪い物ではありませんが、際立つ優良マンションというわけでもありません。

間取り寸評:

個人情報の特定につながるおそれがありますので省略させていただきます。

立地評価:

マンションの価値を大きく左右するのは立地条件ですが、本物件の問題は立地です。八丁堀は、どちらかと言えば日常の買い物施設が少なく、住むには人気の高い駅ではなかったのですが、近年は小型ながらスーパーも出店して住みやすくなったと聞きますし、殺伐とした街並みも徐々に変化し、人気度が高まって来たようです。

バブル経済崩壊後の約20数年の過程で地価が下落した結果、都心部でのマンション開発を可能ならしめ、結果的に「都心回帰現象」が起こり、都心居住者が増えました。行政も子育て世代の支援策を打ち出して人口呼び戻しを図って来ました。その流れを受けて都心居住を可能にし、中央区でも広くマンション開発が増え、人口も増加傾向を見せています。 ただ、同じ中央区でも、隅田川の対岸「勝どき」や「月島」は、倉庫跡や配送センターなどを再開発したものが多く大型であるのに対し、こちら側は広い土地が少なく小規模マンションが中心です。

そんな傾向の中、超高層マンションは「ブリリアザタワー東京八重洲アベニュー」(以下ブリリア)全387戸と「パークシティ中央湊ザタワー」(以下パークシティ)416戸に続き「シティタワー銀座東」(以下シティタワー)が3棟目として建築中です。ただし前2物件は30階建て以上の高さを誇っていますが「シティタワー銀座東」は22階建てで少し見劣りします。それでも、建物価値+立地条件のトータル価値は地域のベスト3がこの3物件と言えるでしょう。これらに比べると、本物件は規模的に「普通」のマンションということになってしまいます。

ともあれ、このエリアの立地評価は「より都心に近い」という意味で悪くはありません。ただし、ピンポイントの条件を見ると、本物件はブリリアほど駅近ではなく、隅田川最前列でもないこと、(現地が確認できないのですが、間違いなければ)既存ビルに挟まれた位置にあることなどから、評価ダウンとなりそうです。

また、価格(坪単価)の@410万円(推定)は、単純比較で2014までの旧相場@305万円の35%以上の高さです。先発のブリリアが@423万円、パークシティが@440万円なので、これらとの比較では大差ないようにも見えますが、物件価値を勘案すると割高感は残ります。ブリリアは短期間に完売したということで市場の高評価を受けた格好ですが、これを額面通りに受け取るのは危険です。 詳細は割愛しますが、ミニバブル的要素が多分に加わった時期の販売だったからです。

この辺りは歴史ある街のためか古い中小のビル・家屋も多く、マンションに建て替わったと見られる新旧ビルが相半ばする街です。小規模な印刷工場をはじめとする零細事業所が並ぶエリアでもあるので、従業員向けの飲食店が点在するという風情の街でもあります。それでも区画は綺麗であり、公園も大小いくつも見られます。 同じ中央区でも、隅田川の対岸の「勝どき」や「月島」とも、また「日本橋」とも全く雰囲気が異なる街です。

パークシティもシティタワーも、「東京駅まで1.4km」をキャッチフレーズに使っていますが、言ってみれば、ここは穴場なのです。いざというときも、職場から歩いて帰ることができる距離にあるマンションだからです。逆に見ると、生活者にとってここは何もないエリアです。近くには銀座も築地も、日本橋もあるとはいえ、普段は歩けるポジションにないのです。

界隈は古くからマンション開発は行われて来たものの、小規模なものが多く、市場で話題となるような物件が少ないエリアだったのですが、ブリリア、パークシティなどの開発は界隈を住宅地という位置づけの街として注目させました。大規模マンションができると、食料品・日用品のショップ、家族のためのレストランなどが自然に集まって来ます。既に、その動きも表れているとの情報も複数あります。 以上の観点から、将来性に期待できる街と言えそうです。

同じ立地条件同士の物件を比較するときは建物価値が格差を生みます。つまり、地域内競争という観点から検討しなければなりません。駅からの距離に加えて、ピンスポットの立地条件(例えば隣が公園か、河川か、高速道路か、両脇が既存マンションか、工場かといった環境チェック)と、検討マンションの建物価値が格差を生みます。建物価値とは、豪華マンションか安物マンションか、ブランドマンションかノンブランドかといったことです。

本物件は、建物も立地もエリア内では「普通」レベルですし、価格が高いと感じます。

リセールバリュー:

マンション購入にあたっては、将来リセールするときの価値を購入時に想定する、若しくは考慮しておくということが大事です。永住するつもりという人も、いつなんどき、売却の必要が生じるか分からないからです。そのとき、できるだけスムーズに、かつ高く売りたいと考えるのが普通の感覚であり、少しでも価値の保存ができる物件を望まない人はいません。

将来価値(リセールバリュー:RV)を決定する要素は、①立地条件(利便性と環境)、②スケール(存在感)、③外観・玄関・空間デザイン、④建物プラン(共用施設、間取り、内装や設備など)、⑤ブランド、⑥管理体制です。この中で一番比重が高いのは①の立地条件なのです。立地さえ良ければ建物は何でもいいという単純なものではないのですが、大きな要素であることは確かです。逆に、どんなに素晴らしい建物でも立地条件の弱点を補うことはできません。また、稀少価値の高い土地かどうかの観点で検討することも大事です。そして最も大事な要素は「価格」です。価値に見合わない高値で購入(高値掴み)すれば、将来価格は期待外れになるからです。

本物件をこの条件に照らすと、建物分野の②~⑥は「普通」です。立地条件の①ももうひとつインパクトに欠けるのです。肝腎の価格ですが、最近4年間は建築費上昇・地価上昇の影響を受けてマンション価格は急騰し、多少の差はあっても全ての物件が高値になってしまい、誰もが高値掴みを強いられてしまう時期に当たっています。本物件も例外ではないはずです。

以上の考察から、本物件のRV格付けは、平均的な「B」とさせて頂きました。現地調査抜きの簡易評価ですので、ラフな点はご賢察・ご容赦願います。「B」とは、東京都の平均的な価格維持率(=購入価格からの変動率。詳細は省略)のキープは微妙という意味になります。

教えて三井先生

ここは住宅街というよりビジネス街というイメージがありましたが、最近は違うのでしょうか?
近年、マンション供給も増えていますから、昼間人口も増えていますよ。古いビルが売却され、購入した土地上にマンションが建つということでしょうね。都心居住を希望するディンクスも増えているので、ニーズにマッチした供給ということになりますね。
ビルとビルの谷間のようなマンションにはならないのでしょうか?
そうなっている物件も多いですね。良い立地とは「駅に近い」とか「交通利便性が高い」といったことのほかに、前が築地公園とか墨田川テラスに面する、あるいは角地に建つといったことが大事です。敷地に余裕があることも重要です。残念ながら、そうした条件の物件は少なく悩ましいものばかりです。この物件隣地の状況は芳しいとは言えません。

建築・販売概要

◆マンション名/クレヴィア東京八丁堀 新川ザ・レジデンス
◆所在地/東京都中央区新川二丁目214番4他(登記地番)
◆用途地域/商業地域
◆交通/JR京葉線「八丁堀」駅徒歩3分、東京メトロ日比谷線「八丁堀」駅徒歩4分、東西線・日比谷線「茅場町」駅徒歩5分
◆敷地面積/㎡
◆建築面積/㎡(建蔽率 %)
◆構造/鉄筋コンクリート造
◆階数/地上12階建て
◆総戸数/95戸
◆駐車場/21台(22%・内機械式21台)(月額使用料/円)
◆建物完成予定日/平成31年2月下旬予定
◆売主/伊藤忠都市開発株式会社
◆施工会社/株式会社イチケン
◆管理会社/伊藤忠アーバンコミュニティ
◆管理費/未定(@円/㎡)・・・予告広告のデータ(以下、同じ)
◆修繕積立金/未定(@円/㎡)
◆修繕積立基金/未定(か月分相当)
◆専有面積帯/53.90㎡~72.96㎡
◆間取り/2LDK~3LDK
◆価格帯/5,900万円台?9,100万円台(平均坪単価 推定 @410万円)
◆検討住戸/省略
◆周辺相場/八丁堀駅圏の過去5年間(2012年~2016年)の平均=2014年までは」@305万円。2015年以降は@412万円。
2015年12月発売の「パークシティ中央湊ザタワー419戸」の@440万円/2015年6月発売の「ブリリアザタワー東京八重洲アベニュー387戸」@415万円の影響が大きい。
◆販売開始時期/平成29年8月下旬 
◆評価または調査日/平成29年8月18日

(本エントリの画像出典:クレヴィア東京八丁堀 新川ザ・レジデンス公式Webページもしくは配布資料スキャン)
(※本エントリ内の@〇〇〇万円は特別な説明がない限り坪単価を表しています。)

 

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三井健太のマンションレポートアーカイブについて

マンションアドバイザー三井健太氏は、ご相談者様のご依頼により、「三井健太のマンションレポート」を作成しています。平均ページ数は28ページ、作成数はのべ2800になります。本マンションレポートアーカイブは、お客様のご依頼事項について秘匿を守りつつ、抜粋版をネット上に公開するものです。このマンション評価書の作成は新築・中古問わず作成しております。

三井健太氏との対面マンション購入相談とFPによる購入可能額判定とライフプランニング作成については、「住まいスタジアム」のご利用をご検討下さい。

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