【ザ・パークハウス オイコス 赤羽志茂】三井健太レポート抜粋版 Vol.30

マンションアドバイザー三井健太氏が、ご依頼を元に毎回作成される「三井健太の(新築・中古)マンションレポート」。受け取った方の大半が「想像以上・期待を超えた」と感動されるこのレポートは、個人に宛てたものということで長らくネット上には公開されていませんでした。ここではその貴重なアーカイブのなかから個人宛て部分やその他ご依頼者から送られた価格表、間取り図などを削除した抜粋版を特別に公開しています。30年余の研究と業界ウォッチング、そしてマンション愛あふれる三井健太氏ならではの客観的かつ具体的、誠実な助言のエッセンスをご覧ください。

三井健太のマンション評価レポート(抜粋版)・【ザ・パークハウス オイコス 赤羽志茂】編

※三井健太のマンションマンションレポートについて

建物の評価ポイント

※レポートの評価ポイント解説・ポイント表は本レポート抜粋では割愛させていただきます。

総合点 72点(最高100点)

中の下:58以下(★★☆)/中の中:59~65(★★★)/中の上:66~72(★★★☆)/上の下:73~78(★★★★)/上の中:79~85(★★★★☆)/上の上:86以上(★★★★★)

三井健太の総合評価

リセールバリュー格付け:B

AA:最も高いリセール価値が期待される。A:比較的高いリセール価値が期待できる。B:あまり高いリセール価値は期待できない。C:リセール価値が低くなる恐れがある。D:リセール価値が著しく劣る覚悟がいる。

建物評価:

建物の評点72は中の上、5段階評価では★★★☆となります。これに立地条件の評価が加味されてマンションのトータル価値となります。

建物評点(立地評価は含まない)は大型物件として「普通」レベルの結果となりました。前表・項目ごとの評点(本レポートでは割愛)にご注目下さい。大型マンションは付加価値がいくつも生まれるもので、この採点方式では高く点が出るのです。惜しいのは、緑地面積が足りない点です。しかしながら、際立つ優良マンションとは言えないものの、付加価値の高い大規模マンションらしいものです。

本物件の施工担当は、規格型マンションの施工で最も強みを持つゼネコンが長谷工コーポレーションです。しかし、商品企画を主導するのは、あくまで売主なのでゼネコンは無関係です。とはいえ、枝葉末節の部分、目に見えない部分で売主が長谷工の提案する設計を容認し、ローコストマンションが出来上がってしまう場合があるのも事実です。本物件は、長谷工提案の部分が少なからずあるような印象です。そのひとつが直床構造なのかもしれません。

直床構造は、昔(40年前)と異なり、バリアフリーになっているので、生活していくうえで支障はありません。リフォームの際に、コンクリートスラブに段差があるため、水回り位置はある程度固定されてしまうという問題は残りますが、大胆な間仕切り変更ができないというだけのことです。従って、一般ニーズから見て、直床が問題になることは殆どないと言って過言ではありません。リフォーム・リノベーションの市場が大きくなっていますが、直床がネックで中古マンションの値段が下がったという話は聞いたことがありませんし、今後も資産価値(売却価格)に大きな影響を与えることはないと断言してよいと思います。既に述べたように、資産価値を左右するのは別の要素です。直床は枝葉末節の要素に過ぎないのです。

しかし、直床のマンションが最近増えたという事実があり、これがインターネット上の論争に発展しているのですが、都心の高級マンションではあり得ない構造であることも確かです。直床構造は、長谷工コーポレーションの設計・施工マンションに多いことから「イメージが良くない」とも「廉価版マンションの象徴」とも見なされるのです。背景には2011年の東日本大震災以降に大きく変わったゼネコン業界の情勢があります。建築費が高騰したため、コストダウンの策のひとつとして採用が増えたからです。

40年以上前の古いマンションでは上下階の騒音問題がしばしば発生し、デベロッパーとゼネコンを悩ませていました。直床から二重床にしても根本解決には至っていませんが、二重床で徹底した細部の工法と施工技術をすれば遮音効果が高く、加えて二重床の方が別のメリットも多く、都心の高級マンション=二重床の図式ではあります。

間取り寸評:

個人情報の特定につながるおそれがありますので省略させていただきます。

立地評価:

マンションの価値を大きく左右するのは立地条件ですが、本物件の最大の弱点は、「駅力」の点で高くない志茂駅が最寄りという点です。住宅地にも拘わらず、駅の近くに商業施設が少なく、今後できる余地もなさそうです。ここは赤羽駅を生活の拠点とする住宅街と考えるべきです。もちろん通勤の足は確保されているわけですし、赤羽駅との間でシャトルバスを運行するようですから、実際の不便さはないかもしれません。

地域内競争という意味から、次の視点で本物件を見たとき、どのような印象になるでしょうか?

①差別化された(明確な差別感がある)物件であるか?
希少価値という表現でもよいのかもしれません。「隅田川テラス沿い」、「吉祥寺公園の最前列」、「皇居が一望」、「眼下にレインボーブリッジ」といった景観、「傘が要らない駅直結の立地」、「ターミナル駅へ徒歩2分」などといった交通利便性など立地条件の希少性がどれだけ高い物件かというチェックが必要です。
似たり寄ったりの外観が並ぶ中に、ひときわ光る個性的な外観デザインのマンション、14階以下のマンションが立ち並ぶエリアに50階建てのタワーマンションなど、建物の形状や規模などで周囲のマンションに圧倒的な差異を創り出している物件なのかどうかをチェックすることです。

②感動を与えてくれる(与え得る)要素がある物件か?
結局のところ、売却に際して内見者をいかに感動させるか(感動してくれるか)という視点で購入しようとしているマンションを見ることなのです。感動要因が数多く、つまり「すごい・素敵」を連発させられるかがカギになるというわけです。たくさんの感動を与えることができるマンションなら、売り出した価格から殆ど値下げすることなく(希望価格で)、しかも短時間で売却が実現できるのです。

建物は付加価値も多く、十分な差別感が見られますが、立地条件に関しては、通勤に問題ないとしても、各種の生活インフラ(飲食店・塾・その他)が徒歩圏に少ないというハンディキャップを背負います。賑わいが足りないということです。その代わり、価格が安いという強みがあるのです。物件価値(ブランド価値・共用施設の付加価値・スケール感など)を加味すると割安感がありそうです。

どんなに優れたマンションでもその価値をはるかに超える高値で買えば、リセールの際に期待を裏切ることになりますが、本物件はその反対で、安く買えた分だけリセールにおいてアドバンテージを持つ、お得な物件ということになるかもしれません。

リセールバリュー:

マンション購入にあたっては、将来リセールするときの価値を購入時に想定する、若しくは考慮しておくということが大事です。永住するつもりという人も、いつなんどき、売却の必要が生じるか分からないからです。そのとき、できるだけスムーズに、かつ高く売りたいと考えるのが普通の感覚であり、少しでも価値の保存ができる物件を望まない人はいません。※ここは大事なポイントです。

将来価値(リセールバリュー:RV)を決定する要素は、①立地条件(利便性と環境)、②スケール(存在感)、③外観・玄関・空間デザイン、④建物プラン(共用施設、間取り、内装や設備など)、⑤ブランド、⑥管理体制です。この中で一番比重が高いのは①の立地条件なのです。立地さえ良ければ建物は何でもいいという単純なものではないのですが、大きな要素であることは確かです。逆に、どんなに素晴らしい建物でも立地条件の弱点を補うことはできません。

また、稀少価値の高い土地かどうかの観点で検討することも大事です。そして最も大事な要素は「価格」です。価値に見合わない高値で購入(高値掴み)すれば、将来価格は期待外れになるからです。

本物件をこの条件に照らすと、立地条件の①に懸念がありますが、建物分野の②~⑥は「標準以上」と見てよいのです。

以上の考察から、本物件のRV格付けは、平均的な「B」とさせて頂きました。現地調査抜きの簡易評価ですので、ラフな点はご賢察・ご容赦願います。「B」とは、東京都の平均的な価格維持率(=購入価格からの変動率。詳細は割愛)のキープは微妙という意味になります。

教えて三井先生

価格がお安い感じがします。なぜ安いのでしょうか?
三菱地所レジデンスの新シリーズ(新ブランド)である「オイコス」は低廉な価格で販売するもので、長谷工コーポレーションの協力を得て実現させたようです。野村不動産の「オハナ」ブランドと同列にみてもよいでしょうね。つまり、品質はそこそこに保ちながら価格を手頃に抑えているブランドです。
品質がそこそことは?
大型マンションなので、子育て世帯に向く各種共用施設やプライベートガーデンなどが設けられていますが、設備や間取りなどのグレードは中級です。賃貸マンションの設備よりははるかに超えるスペックということですね。初めてマンションを買う若い層には十分満足できるレベルと言えるものです。

建築・販売概要

◆マンション名/ザ・パークハウス オイコス 赤羽志茂
◆所在地/東京都北区志茂3丁目43番1他(登記地番)
◆用途地域/工業地域
◆交通/東京メトロ南北線「志茂」駅(2番出口)より徒歩6分
◆敷地面積/18,153.01㎡ (サードスクエア/12,230.92㎡、フォーススクエア/5,392.27㎡、クラブスクエア/529.82㎡)
◆建築面積/5,799.62㎡ (サードスクエア/3,998.25㎡、フォーススクエア/1,504.27㎡、クラブスクエア/297.10㎡)(建蔽率 %)
◆構造/鉄筋コンクリート造
◆階数/地上15+11階建て
◆総戸数/500戸 (サードスクエア/399戸、フォーススクエア/101戸)
◆駐車場/194台(39%・内機械式75台)(月額使用料/円)
◆建物完成予定日/平成31年1月下旬予定
◆売主/三菱地所レジデンス・大栄不動産・三菱倉庫
◆施工会社/長谷工コーポレーション
◆管理会社/三菱地所コミュニティ
◆管理費/16,460円・17,100円(@252円/㎡)・・・第2期25戸の販売データ(以下、同じ)
◆修繕積立金/6,220円・6,450円(@95円/㎡)
◆修繕積立基金/619,970円・644,290円(100か月分相当)
◆専有面積帯/65.26㎡・67.82㎡
◆間取り/~4LDK
◆価格帯/4298~4788万円(平均坪単価 @225万円)・・・相場との比較をしてみると明確な割安感があります。
◆検討住戸/省略
◆周辺相場/2015年6月発売「プレシス赤羽32戸」徒歩4分=@250万円・2014年10月発売の「イニシア赤羽志茂42戸」4分=@220万円・・・・供給は少ない/参考:赤羽駅の最近3年の平均=@320万円・2015年5月発売「ナイスエスアリーナ赤羽44戸」赤羽岩淵駅7分=@260万円・2016年9月発売「ザ・ガーデンス東京王子864戸」=@260万円
◆販売開始時期/第2期】2018年2月24日(土)10:00より先着順受付開始
◆評価または調査日/平成30年3月1日

(本エントリの画像出典:ザ・パークハウス オイコス 赤羽志茂公式Webページもしくは配布資料スキャン)
(※本エントリ内の@〇〇〇万円は特別な説明がない限り坪単価を表しています。)

 

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三井健太のマンションレポートアーカイブについて

マンションアドバイザー三井健太氏は、ご相談者様のご依頼により、「三井健太のマンションレポート」を作成しています。平均ページ数は28ページ、作成数はのべ2800になります。本マンションレポートアーカイブは、お客様のご依頼事項について秘匿を守りつつ、抜粋版をネット上に公開するものです。このマンション評価書の作成は新築・中古問わず作成しております。

三井健太氏との対面マンション購入相談とFPによる購入可能額判定とライフプランニング作成については、「住まいスタジアム」のご利用をご検討下さい。

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