【プラウドシティ阿佐ヶ谷】三井健太レポート抜粋版 Vol.43

マンションアドバイザー三井健太氏が、ご依頼を元に毎回作成される「三井健太の(新築・中古)マンションレポート」。受け取った方の大半が「想像以上・期待を超えた」と感動されるこのレポートは、個人に宛てたものということで長らくネット上には公開されていませんでした。ここではその貴重なアーカイブのなかから個人宛て部分やその他ご依頼者から送られた価格表、間取り図などを削除した抜粋版を特別に公開しています。30年余の研究と業界ウォッチング、そしてマンション愛あふれる三井健太氏ならではの客観的かつ具体的、誠実な助言のエッセンスをご覧ください。

三井健太のマンション評価レポート(抜粋版)・【プラウドシティ阿佐ヶ谷】編

※三井健太のマンションマンションレポートについて

建物の評価ポイント

※レポートの評価ポイント解説・ポイント表は本レポート抜粋では割愛させていただきます。

総合点 68点(最高100点)

中の下:58以下(★★☆)/中の中:59~65(★★★)/中の上:66~72(★★★☆)/上の下:73~78(★★★★)/上の中:79~85(★★★★☆)/上の上:86以上(★★★★★)

三井健太の総合評価

リセールバリュー格付け:B

AA:最も高いリセール価値が期待される。A:比較的高いリセール価値が期待できる。B:あまり高いリセール価値は期待できない。C:リセール価値が低くなる恐れがある。D:リセール価値が著しく劣る覚悟がいる。

建物評価:

建物の評点68は上の下、5段階評価では★★★★となります。これに立地条件の評価が加味されてマンションのトータル価値となります。建物評点は、70点に届かなかったものの高得点となりました。特筆すべきは「公園内住宅」とでも表現すべきなのですが、緑化率(緑被率)が40%と極めて高いプランニングを挙げることができます。これは駐車場を地下に格納したことで実現したわけで、億ション級の設計と言えます。室内の設備・仕様も比較的高いレベルにあるようです。惜しむらくは、間取りがスパンの狭い「普通レベル」が多いことです。しかし、総じて申し分ない建物と言えるでしょう。

間取り寸評:

個人情報の特定につながるおそれがありますので省略させていただきます。

立地評価:

立地条件も、杉並区らしく駅から徒歩圏にあって環境も良いという、都心では相容れない二つの条件を両立させた稀有なものです。最近の類似物件では「桜上水ガーデンズ(2014年発売。京王線・桜上水より徒歩3分)」が思い出されます。大きな違いは高さと間取り、構造(桜上水は免震)、施工ゼネコン(桜上水は大林&清水)などですが、旧・公団住宅の建て替え事業であること、地下駐車場、緑地率の高さなどがよく似ています。

本物件の最大の問題は価格の高さです。これまでの相場は参考にならない、つまり本物件は比較にならない別格のマンションだからとはいえ、平均坪単価で約@370万円は、高過ぎるのではないかという疑念が湧くからです。ちなみに、桜上水ガーデンズは平均坪単価が@330万円。最も駅に近い棟の6階・75.87㎡が7,939万円=@345万円でしたから、いかに高いかが分かります。販売時期に約1年半以上のズレがあるとは言え、悩ましいところです。

リセールバリュー:

マンション購入にあたっては、将来リセールするときの価値を購入時に想定する、若しくは考慮しておくということが大事です。いつなんどき、売却の必要が生じるか分からないからです。そのとき、できるだけスムーズに、かつ高く売りたいと考えるのが普通の感覚であり少しでも価値の保存ができる物件を望まない人はいません。

将来価値(リセールバリュー:RV)を決定する要素は、①立地条件(利便性と環境)、②スケール(存在感)、③外観・玄関・空間デザイン、④建物プラン(共用施設、間取り、内装や設備など)、⑤ブランド、⑥管理体制です。この中で一番比重が高いのは①の立地条件なのです。立地さえ良ければ建物は何でもいいという単純なものではないのですが、大きな要素であることは確かです。逆に、どんなに素晴らしい建物でも立地条件の弱点を補うことはできません。また、稀少価値の高い土地かどうかの観点で検討することも大事です。そして最も大事な要素は「価格」です。価値に見合わない高値で購入(高値掴み)すれば、将来価格は期待外れになるからです。

本物件をこの条件に照らすと、①~⑥まですべて水準を大きく超える優良物件と言えます。希少性も高く、価値ある物件であることは間違いないのですが、価格は高値掴みの疑念が残ります。販売状況も必ずしも好調とは言えないようで、その原因は価格の高さにあるためと推察します。最近3年ほどの価格上昇トレンドはご存知のことと思いますが、23区の平均では2012年を100としたとき、2015年の価格(坪単価)123と23%も上がりました。杉並区だけで見た場合も、2012年比で22%の上昇となっています。杉並区と同水準の世田谷区は23%でした。このような市況下においては、本物件の価格高も仕方ないところです。しかし、物件価値に見合わない価格高かと言えば、それほどでもないと考えます。上述のように価値ある物件なのです。

以上の考察から、10年後を想定した本物件のRV格付けは、「B」とさせて頂きました。現地調査抜きの簡易評価ですので、ラフな点はご賢察・ご容赦願います。「B」は、東京都平均レベルの価格維持率(購入価格からの変動率)のキープが可能という意味とご理解下さい。

教えて三井先生

緑が一杯で、都区内にこんなところもあるのですね。杉並区だからでしょうか? 駅にも近くて環境が良いというマンションは珍しいのでは?
そうですね。旧・公団住宅の分譲団地(昭和33年完成)の建て替えマンションなので、当時は杉並区らしい武蔵野の面影を残した環境の中で開発された団地だったのでしょう。同じく公団住宅の建て替えマンションで有名なのが「桜上水ガーデンズ」で、こちらは世田谷区で京王線の桜上水」駅3分という利便性が好評を博しました。
今後もこのようなマンションが続々出て来るのでしょうか?
だといいのですが、現実は厳しいでしょうね。というのも、古いマンションには分譲当初から長く居住している高齢者も多いので、建て替えで引っ越しして、また戻ることに抵抗ある人も多く、80%以上の賛成を取り付けるまでに10年もかかってしまうのが普通だからです。

建築・販売概要

◆マンション名/プラウドシティ阿佐ヶ谷
◆所在地/東京都杉並区成田東4-63-28他(登記地番)
◆用途地域/第一種低層住居専用地域 ※阿佐ヶ谷住宅の建て替え:1958年(昭和33年)に入居が始まった日本住宅公団(現:都市再生機構)の分譲住宅で、テラスハウス形式と広大な共有スペース(公園)を有する余裕ある住棟配置だった。
◆交通/東京メトロ丸ノ内線「南阿佐ケ谷」駅より徒歩5分
◆敷地面積/43170.48㎡
◆建築面積/154,858.8㎡(建蔽率 36%)
◆構造/鉄筋コンクリート造
◆階数/地上2~6階建て
◆総戸数/575戸(A175戸。B283戸。C76戸。D17戸。E24戸。非分譲住戸189戸含む)
◆地下駐車場/187台(32%)(月額使用料/円)
◆建物完成日/平成28年3月・7月・8月竣工済み
◆売主/野村不動産&安藤・間
◆施工会社/安藤・間、西武建設、前田建設工業
◆管理会社/野村不動産パートナーズ
◆管理費/1万6200円~2万1500 円(@250円/㎡)・・・第1期3次の残23戸の販売データ(以下、同じ)
◆修繕積立金/9630円~1万2800 円(@148円/㎡)
◆修繕積立基金/55万6300円~74万200円(57か月分相当)
◆専有面積帯/64.77~86.18㎡
◆検討住戸/省略
◆間取り/2LDK~3LDK
◆価格帯/6798万円~9688万円(平均坪単価 E街区:@310万円 D街区17戸:販売対象外か? C街区:@360万円 B街区:@370万円/A街区:@370万円)・・・単純比較では旧相場の5割高。5年間の平均に対しては10%余り高いだけだが、価格急騰の主因は自身にある。
◆周辺相場/南阿佐ヶ谷駅圏の過去5年間(2011年~2016年10月)の平均=@338.8万円。ただし、本物件が押し上げた部分が大きい(2014年までの旧相場は@250万円でした)
◆販売開始時期/完売
◆評価または調査日/平成28年12月29日

(本エントリの画像出典:プラウドシティ阿佐ヶ谷公式Webページもしくは配布資料スキャン)
(※本エントリ内の@〇〇〇万円は特別な説明がない限り坪単価を表しています。)

 

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三井健太のマンションレポートアーカイブについて

マンションアドバイザー三井健太氏は、ご相談者様のご依頼により、「三井健太のマンションレポート」を作成しています。平均ページ数は28ページ、作成数はのべ2800になります。本マンションレポートアーカイブは、お客様のご依頼事項について秘匿を守りつつ、抜粋版をネット上に公開するものです。このマンション評価書の作成は新築・中古問わず作成しております。

三井健太氏との対面マンション購入相談とFPによる購入可能額判定とライフプランニング作成については、「住まいスタジアム」のご利用をご検討下さい。

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