【アトラス加賀】三井健太レポート抜粋版 Vol.68

マンションアドバイザー三井健太氏が、ご依頼を元に毎回作成される「三井健太の(新築・中古)マンションレポート」。受け取った方の大半が「想像以上・期待を超えた」と感動されるこのレポートは、個人に宛てたものということで長らくネット上には公開されていませんでした。ここではその貴重なアーカイブのなかから個人宛て部分やその他ご依頼者から送られた価格表、間取り図などを削除した抜粋版を特別に公開しています。30年余の研究と業界ウォッチング、そしてマンション愛あふれる三井健太氏ならではの客観的かつ具体的、誠実な助言のエッセンスをご覧ください。

三井健太のマンション評価レポート(抜粋版)・【アトラス加賀】編

※三井健太のマンションマンションレポートについて

建物の評価ポイント

※レポートの評価ポイント解説・ポイント表は本レポート抜粋では割愛させていただきます。

総合点 69点(最高100点)

中の下:58以下(★★☆)/中の中:59~65(★★★)/中の上:66~72(★★★☆)/上の下:73~78(★★★★)/上の中:79~85(★★★★☆)/上の上:86以上(★★★★★)

三井健太の総合評価

リセールバリュー格付け:B

AA:最も高いリセール価値が期待される。A:比較的高いリセール価値が期待できる。B:あまり高いリセール価値は期待できない。C:リセール価値が低くなる恐れがある。D:リセール価値が著しく劣る覚悟がいる。

建物評価:

建物の評点69は中の上、5段階評価では★★★☆となります。これに立地条件の評価が加味されてマンションのトータル価値となります。
建物評点(立地評価は含まない)は大型物件にしては平凡なものとなりました。公開情報が限定されており推測で採点した項目もあるため、公開後は加点があるかもしれません。しかし、高々3点と考えます。とすれば、ランクは変わりません。

マンションの価値は、後述しますが「差別化された(明確な差別感がある)物件であるか」にかかって来ます。本物件は率直に言わせていただくと、比較的スケールがある建物にしては平凡の域を出ません。バランスの取れた建物と言えますが、格別な優良マンションと言えるレベルではないのです。

しかし、そのような場合でも駅に2~3分といった利便性があれば建物の平凡さを補ってくれるのですが、その点も9分・10分では逆に足を引っ張ります。

間取り寸評:

個人情報の特定につながるおそれがありますので省略させていただきます。

立地評価:

マンションの価値を大きく左右するのは立地条件ですが、本物件の最大の弱点は駅からの距離です。距離があっても、それを補って余りある要素があればいいのですが、見当たりません。

隣地に加賀公園があり、緑が多くて良い環境にあるとは思いますが、メジャーな公園ではありません。加賀エリアには、学校、公園、分譲マンションなどが整然と配置されていますし、歴史的な価値も加わっているので、ただの下町ではありません。木造密集地域に代表される下町とは明らかに雰囲気が違います。

大きな敷地に、大型マンションが集積してできている整然とした街でもあります。とはいえ、駅からのアプローチや買い物の不便さなどの問題もあります。夜は暗くて人通りがないのが不安という声も聞こえます。
本マンションの直近環境も、三方を公園と石神井川に接しているロケーションが素晴らしいと思いますが、駅からの距離の弱点を補って余りあるかと言えば、それほどでもないと考えます。

また、マクロ的な見方で「新板橋駅」も「板橋区役所前駅」も魅力に乏しい駅です。将来のリセールを考えたとき、あまり期待できないのです。マンションの価値は、駅に近い・環境が良いというミクロの条件も大事なのですが、それ以前に「街の魅力・人気度・将来性」というマクロの尺度が大事です。

誤解のないように補足すると、加賀エリアは区内では比較的人気のある所なので、区民限定需要をターゲットにする限り高値でのリセールも可能です。しかし、全東京的な人気を博する街とは言えないので、期待度は低くならざるを得ません。

ちなみに、SUUMOの住みたい街ランキング関東版(2018年)では、板橋区内の駅で150位以内に入っている駅はひとつもないのです。地元の方には失礼ながら、板橋区内で高いリセールバリューを期待できる駅・街は見当たりません。

地域内競争という観点でも評価してみましょう。

①差別化された(明確な差別感がある)物件であるか?
希少価値という表現でもよいのかもしれません。「隅田川テラス沿い」、「吉祥寺公園の最前列」、「皇居が一望」、「眼下にレインボーブリッジ」といった景観、「傘が要らない駅直結の立地」、「ターミナル駅へ徒歩2分」などといった交通利便性など立地条件の希少性がどれだけ高い物件かというチェックが必要です。
似たり寄ったりの外観が並ぶ中に、ひときわ光る個性的な外観デザインのマンション、14階以下のマンションが立ち並ぶエリアに50階建てのタワーマンション。前面道路から20メートルも距離がある位置にエントランスがあって居住者以外は近寄りがたい雰囲気のマンションなど、建物の形状や規模などで周囲のマンションに圧倒的な差異を創り出している物件なのかどうかをチェックすることです。

②感動を与えてくれる(与え得る)要素がある物件か?
結局のところ、売却に際して内見者をいかに感動させるか(感動してくれるか)という視点で購入しようとしているマンションを見ることなのです。感動要因が数多く、つまり「すごい・素敵」を連発させられるかがカギになるというわけです。
たくさんの感動を与えることができるマンションなら、売り出した価格から殆ど値下げすることなく(希望価格で)、しかも短時間で売却が実現できるのです。

居住性や好みの問題、個人的な事情を抜きにして、あくまで資産性の観点だけで言えば、本物件は残念ながらピンポイントの立地は良いとしても駅から徒歩9~10分は弱く、建物価値の面でも悪くはないものの、飛びつくほどの格別なものには見えません。

リセールバリュー:

マンション購入にあたっては、将来リセールするときの価値を購入時に想定する、若しくは考慮しておくということが大事です。

永住するつもりという人も、いつなんどき、売却の必要が生じるか分からないからです。そのとき、できるだけスムーズに、かつ高く売りたいと考えるのが普通の感覚であり、少しでも価値の保存ができる物件を望まない人はいません。※ここは大事なポイントです。

売却の際、大きな弱点になるのが駅からの距離です。将来価値(リセールバリュー:RV)を決定する要素は、①立地条件(利便性と環境。マクロ的な人気度)、②スケール(存在感)、③外観・玄関・空間デザイン、④建物プラン(共用施設、間取り、内装や設備など)、⑤ブランド、⑥管理体制です。

この中で一番比重が高いのは①の立地条件なのです。立地さえ良ければ建物は何でもいいという単純なものではないのですが、大きな要素であることは確かです。逆に、どんなに素晴らしい建物でも立地条件の弱点を補うことはできません。

また、希少価値の高い土地かどうかの観点で検討することも大事です。そして最も大事な要素は「価格」です。価値に見合わない高値で購入(高値掴み)すれば、将来価格は期待外れになるからです。

本物件をこの条件に照らすと、建物分野の②~⑥、また、ピンポイントの立地も良いとしても、駅から遠い点が足を引っ張るため、立地条件の①はインパクトに欠けるのです。

肝腎の価格ですが、最近4年間は建築費上昇・地価上昇の影響を受けてマンション価格は急騰し、多少の差はあっても全ての物件が高値になってしまい、誰もが高値掴みを強いられてしまう時期に当たっています。本物件も例外ではないようです。つまり、他社並みに高いのです。

以上の考察から、本物件のRV格付けは、「B」とさせて頂きました。現地調査抜きの簡易評価ですので、ラフな点はご賢察・ご容赦願います。「B」とは、地域の平均的な価格維持率(=購入価格からの変動率)のキープは微妙という意味になります。

地域の平均とはどのくらいか、そこが問題ですが、「将来価格の予測」は無料サービスの枠を超えますのでご容赦ください。

教えて三井先生

「加賀藩ゆかりの伝統と緑あふれる土地」ということで人気があると聞きました。
加賀百万石のイメージが浸透しているからでしょうか?加賀名が付くマンションはどれも人気がありますね。
2つ路線の二つ駅が利用できるとはいえ、どちらも徒歩10分前後と遠いと思うのですが、どうなのでしょうか?
駅から遠い分を補って余りある、少なくともマイナス点がゼロになるほどのインパクトがあればいいのですが、一般的には、駅からの長いアプローチの大半が商店街ロードであるとか、幅広で街路樹が美しい歩道が続くとか、現地に着くと今度は感動的な眺望、例えば横浜の港の見える丘公園のような高台にあってオーシャンビューが圧巻であるとか、緑豊かな大公園の最前列に建ち「まるで森の中のマンションといって過言ではないほどの自然林や公園に接する」といった環境の良さが必須です。このくらいのインパクトある代替条件があれば徒歩10分も問題はなくなるでしょう。

建築・販売概要

◆マンション名/アトラス加賀
◆所在地/東京都板橋区加賀一丁目3356-151(登記地番)
◆用途地域/準工業地域
◆交通/都営地下鉄三田線「新板橋」駅徒歩9分・都営地下鉄三田線「板橋区役所前」徒歩10分
◆敷地面積/6039.95㎡
◆建築面積/2245.78㎡(建蔽率 %)
◆構造/鉄筋コンクリート造
◆階数/地上15階建て
◆総戸数/227戸
◆駐車場/87台(38%・内機械式台)(月額使用料/円)
◆建物完成予定日/2020年7月下旬
◆売主/旭化成不動産レジデンス
◆施工会社/株式会社長谷工コーポレーション
◆管理会社/旭化成不動産コミュニティ株式会社
◆管理費/不明(@円/㎡)・・・() 戸の販売データ(以下、同じ)
◆修繕積立金/不明(@円/㎡)
◆修繕積立基金/不明(か月分相当)
◆専有面積帯/72.20~94.91㎡◆間取り/2LDK+S~4LDK
◆価格帯/5800万円台~9400万円台(平均坪単価 @285万円)・・・中層階の角部屋Bタイプが@295万円というところから推定
◆検討住戸/省略
◆周辺相場/(新板橋駅の供給は2014年以降ゼロ。板橋区役所前駅も右の1物件のみ・・・2018年5月発売「オープンレジデンシア板橋パークフロント31戸」板橋区役所前4分=@290万円
◆板橋区の主な販売物件/2018年6月発売「リビオレゾン板橋本町ステーションサイド95戸」板橋本町駅2分=@290万円・2017年11月発売「ブリリア大山パークフロント135戸」大山駅7分=@270万円・2017年11月発売「オーベル板橋本町93戸」板橋本町駅8分=@230万円
◆販売開始時期/2019年2月上旬
◆評価または調査日/2018年12月30日

(本エントリの画像出典:アトラス加賀公式Webページもしくは配布資料スキャン)
(※本エントリ内の@〇〇〇万円は特別な説明がない限り坪単価を表しています。)

 

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三井健太のマンションレポートアーカイブについて

マンションアドバイザー三井健太氏は、ご相談者様のご依頼により、「三井健太のマンションレポート」を作成しています。平均ページ数は28ページ、作成数はのべ2800になります。本マンションレポートアーカイブは、お客様のご依頼事項について秘匿を守りつつ、抜粋版をネット上に公開するものです。このマンション評価書の作成は新築・中古問わず作成しております。

三井健太氏との対面マンション購入相談とFPによる購入可能額判定とライフプランニング作成については、「住まいスタジアム」のご利用をご検討下さい。

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